標準的なピアノには白鍵52、黒鍵36、合わせて88の鍵盤があります。最低音のA0から最高音のC8まで、7オクターブと短3度の音域です。ただし、最初から必ず88鍵がなければ始められないわけではありません。クラシックのピアノ曲を長く学ぶつもりなら、強弱がつくタッチレスポンス機能と重みのあるハンマーアクションを備えた88鍵がいちばん長く使えますが、設置スペースや予算に限りがあるなら61鍵や76鍵から始めても十分です。
ひと目で わかる
- 標準の88鍵は白鍵52・黒鍵36で構成され、A0からC8までの音域をカバーします。
- 61鍵は5オクターブ、76鍵は6オクターブ強です。削られているのは両端の超低音域と超高音域です。
- 鍵盤数と同じくらい大切なのが、音の強弱がつくタッチレスポンスと、ハンマーアクションによる鍵盤の重みです。
- ケースにしまい込む楽器より、常に出しっぱなしにして毎日座れる楽器がいちばん上達を助けてくれます。
鍵盤数に よって 変わる こと
88鍵の音域は7オクターブ+短3度です。1オクターブは白鍵7つと黒鍵5つ、合わせて12の半音でできており、黒鍵が2つ・3つのまとまりで繰り返される並び方は、何鍵のキーボードでもまったく同じです。鍵盤数によって変わるのは、そのまま弾ける曲の音域の広さと、端の音が足りなくなってオクターブシフトボタンを使わなければならない頻度です。
- 49鍵、4オクターブ:デスク上でのDTM入力や片手フレーズには便利ですが、両手でピアノ曲を弾くには音域が狭すぎます。
- 61鍵、5オクターブ:入門〜初級教本、コード伴奏、ポップスのキーボードパートには十分ですが、中級以降の曲で両手が広がると鍵盤が足りなくなることがあります。
- 76鍵、約6オクターブ半:部屋のスペースが限られるときや持ち運びたいときの有力な選択肢です。多くの小品やポップスをオクターブ変更なしで弾けますが、ロマン派以降の広い音域を使う曲では両端の音が足りません。
- 88鍵、フルスケール:アコースティックのグランドピアノやアップライトピアノと同じ全音域です。クラシック作品を学ぶ方や、買い替えずに長く続けたい方に最も安心な選択です。
なお、まれに88鍵を超える特別なコンサートグランドピアノも存在します。たとえばベーゼンドルファーのインペリアルは、低音側に9鍵を加えた計97鍵を備えています。
鍵盤のタッチも鍵数と同じくらい重要
同じ88鍵でも、鍵盤の弾き心地は機種によって大きく異なります。ピアノを学ぶなら、鍵盤を押す強さや速さによって音量や音色が変わるタッチレスポンス機能は必須です。さらに、バネで戻る軽いオルガン・シンセタイプの鍵盤か、アコースティックピアノのハンマーの重みを再現し低音側ほど重く高音側ほど軽くなるハンマーアクション鍵盤かによって、指の支えや強弱のコントロールが身につく度合いが大きく変わります。
最初の 1台を 選ぶ順番
- 弾きたい音楽のジャンルを決めるクラシックのピアノ曲や本格的なピアノ奏法を身につけたいなら、88鍵のハンマーアクションモデルを第一候補にします。弾き語り伴奏やコード練習、ポップスが中心なら61鍵・76鍵から始めても問題ありません。
- 設置スペースと椅子の高さを測るスタンドと椅子を置いたときに膝が自然に入るか、座ったときに肘と前腕が鍵盤の高さとほぼ水平になるかを確かめます。電源を入れれば1分以内に弾き始められる場所に置くことが、毎日続ける一番の秘訣です。
- 音の強弱がつくか確かめる弱く弾いたときと強く弾いたときで音量が自然に変わるか確かめます。仕様表では「タッチレスポンス」や「Touch Response」の項目をチェックしてください。
- 鍵盤の重みを弾き比べる重みのあるハンマーアクションはアコースティックピアノの感触に近く、軽い鍵盤は取り回しや持ち運びに優れています。楽器店で同じフレーズを両方のタイプで弾き比べると、違いがすぐに実感できます。
- ペダル端子と接続端子を確認するサステインペダル端子、夜間練習用のヘッドホン端子、そしてスマートフォンやタブレットと接続するためのUSB TO HOST端子やMIDI端子が備わっているかを確認します。
よく ある 失敗
鍵盤数だけで選び、タッチレスポンスのないモデルを買う
88鍵あっても、弾く強弱を検知しない簡易キーボードでは強弱表現や声部の弾き分けが練習できません。鍵数とあわせてタッチレスポンスと鍵盤の機構を必ず確認しましょう。
理想のピアノが買えるまで始めるのを先延ばしにする
月に1度しか開けない高級機より、週に5日座って弾くコンパクトなキーボードのほうがずっと多くのことを教えてくれます。いま置ける楽器から始めましょう。
MIDI接続端子を確認せずに購入する
背面にUSB TO HOSTやMIDI端子がない楽器は、練習アプリと接続できません。端子の見分け方やケーブルの選び方は電子ピアノをスマホ・iPadにMIDI接続する方法にまとめています。
ステップアップの時期を逃す
61鍵や76鍵で始めた場合、練習している曲で両端の鍵盤が足りなくなり、オクターブを移してごまかす場面が増えてきたら、88鍵の電子ピアノへ買い替えるタイミングです。
Virtuは つないだ鍵盤の 演奏を MIDIで 聴きます
電子ピアノやMIDIキーボードをUSBケーブルでつなぐと、Virtuはどの鍵盤をいつ押して離したか、どのくらいの強さで弾いたか、ペダルをいつ踏んだかを受け取り、楽譜上の音符と正確に照合します。つないだ鍵盤は自動で認識されるため、面倒な設定は不要です。
- 設定 › 鍵盤の接続 › 電子ピアノに「接続完了」と機種名が表示され、押した鍵盤が88鍵のインジケーターに光ります。
- タッチレスポンス対応の鍵盤なら鍵盤を弾いた強さも受け取り、「今回の演奏分析」で楽譜の強弱記号に沿った表現ができたかをグラフで可視化します。
- 「最初から覚えたい」で始めた曲では、楽譜の下に88鍵のガイドが表示され、次に弾く鍵盤が青く光って位置を教えてくれます。
よく ある 質問
黒鍵はなぜ2つと3つのグループに分かれているのですか?
1オクターブの12半音のうち、ハ長調の「ドレミファソラシ」にあたる7つの音が白鍵、残りの5つの音が黒鍵として並んでいるためです。黒鍵が2つと3つの塊で交互に並んでいるおかげで、広い鍵盤の上でも視覚と指先の感触ですぐに音の位置を見つけられます。たとえば「2つ並んだ黒鍵のすぐ左下の白鍵」は、どのオクターブでも必ずドです。
大人の初心者ですが、最初は61鍵でも足りますか?
最初の数か月間は61鍵で足りることがほとんどです。入門〜初級の曲は真ん中のドの周囲3〜4オクターブ以内で動く曲が多いからです。ただし、最初から強弱表現を練習できるよう、必ずタッチレスポンス機能とサステインペダル端子を備えたモデルを選んでください。
61鍵や76鍵のキーボードもVirtuに接続できますか?
はい、問題なく接続できます。USB経由でMIDI信号を送れるキーボードであれば鍵盤数にかかわらずVirtuが自動で認識します。対応しているスマートフォンやタブレットについては、ヘルプセンターの「どのデバイスで使えますか?」でご確認いただけます。