MusicXMLは、小節、音高、休符、音の長さ、声部、アーティキュレーションを構造化して収めたデジタル楽譜ファイルです。紙面を画像として保存したPDFとは異なり、アプリが楽譜情報を直接読み取れるため、鍵盤で弾いた音を楽譜上の音符と一つずつ正確に照合できます。楽譜作成ソフトや楽譜サイトからMusicXML(.musicxml、または圧縮形式の.mxl)を用意し、小節番号や反復記号の構造が譜面台の楽譜と一致しているか確かめてから取り込みます。
ひと目で わかる
- MusicXMLは記譜情報を持った楽譜データ、PDFは紙面の画像、MIDIファイルは演奏信号の記録です。
- 楽譜作成ソフトから書き出すか、楽譜サイトでダウンロードする際にMusicXML形式(.musicxml / .mxl)を選びます。
- 取り込む前に、弱起、反復記号、タイ、装飾音が正しく記譜されているかを確認します。
- 最初はシンプルな4〜8小節を弾いてみて、判定される音と小節の区切りが楽譜と一致するか確かめます。
MusicXML、 MXL、 PDF、 MIDIは 何が 違うのか
- MusicXML(.musicxml):異なる楽譜作成ソフトや練習アプリのあいだで楽譜をやりとりするために策定された標準のオープン形式です。音高、休符、音の長さ、小節線、調号・拍子記号、声部、強弱やアーティキュレーション記号まで、楽譜の記譜情報をそのまま保持します。
- MXL(.mxl):MusicXMLをzip方式で圧縮したファイル形式です。ファイルサイズは格段に小さくなりますが、収められている楽譜情報はまったく同じです。
- PDF:印刷用の紙面を画像・文書として収めたファイルです。人間の目には同じ楽譜に見えても、アプリが読み取れる音符や小節のデータは入っていません。
- MIDIファイル(.mid):時系列に沿っていつどの鍵盤を押し、いつ離したかを記録した演奏データです。音高とテンポの情報は入っていますが、右手・左手の譜表の区別や多声部の声部分け、タイとスラーの違い、1・2番括弧といった楽譜本来の記譜情報はたいてい欠落しています。
練習フィードバックではMusicXMLの楽譜ファイルが基準となり、MIDI接続した電子ピアノが実際の演奏データを送ります。アプリが演奏と楽譜を照らし合わせる仕組みはMIDIピアノ練習フィードバックの仕組みで解説しています。
MusicXMLファイルはどこで手に入れるか
- 楽譜作成ソフトから書き出す:MuseScore Studio、Dorico、Sibelius、Finaleなどの書き出しメニューでMusicXMLを選びます。無料のMuseScore Studioでも、圧縮(.mxl)と非圧縮(.musicxml)のどちらでも書き出せます。
- 楽譜サイトからダウンロードする:ダウンロード時にファイル形式としてMusicXMLを選択します。著作権の保護期間が満了したクラシック作品を浄書・公開しているプロジェクトからも入手できます。
- 紙の楽譜やPDFしかないとき:必要な区間を楽譜作成ソフトに打ち込むか、楽譜認識ソフトで変換したあと、誤認識された音や拍子を修正してからMusicXMLで書き出します。
MusicXMLの 楽譜で 練習を 始める 順番
- 譜面台の楽譜と同じ版を選ぶ併用する紙の楽譜がある場合は、小節数や反復記号の構成が一致している版のファイルを選びます。繰り返しやカットが異なると、正しく弾いても別の小節番号を指してしまいます。
- 取り込む前に記譜の状態に目を通す楽譜作成ソフトで開き、小節番号と弱起、反復記号と1・2番括弧、コーダ、タイ、装飾音、右手・左手の声部分け、冒頭のテンポ指定が正しく書かれているか確認します。
- ライブラリに取り込むVirtuの「ライブラリ」から「楽譜を取り込む」をタップしてファイルを選びます。iPhone・iPadやAndroidでは、ダウンロードしたファイルを共有メニューからVirtuで開いてそのまま取り込むこともできます。
- 練習モードを選ぶ取り込んだ楽譜の「デッキを追加」から、最初から覚えたい、初見演奏、片手ずつ、両手、テクニックを磨くのうち、現在の仕上がり段階に合ったものを選びます。
- 平易な区間で照合を確かめるリズムの複雑でない4〜8小節を余裕のあるテンポで弾いてみて、判定される音と小節線が楽譜どおりに合っているか確かめます。やさしい箇所でずれる場合は、難所へ進む前に元の楽譜ファイルを修正します。
- 集中して直す最小の範囲を決める正しく照合されることを確かめたら、診断したいセクションを止まらずに一度通して弾きます。指摘された音と小節を見て、今日集中して手を入れる最小の小節範囲と目標テンポを決めます。
よく ある 取り込みの トラブルと 対処法
弱起のせいで小節番号が1つずつずれる
曲が弱起で始まっている場合、元の楽譜作成ソフトで最初の小節が通常の第1小節ではなく、小節番号のカウントから除外する弱起として設定されているか確認してください。
タイで伸ばすはずの音がミスと判定される
同じ高さの音をつなぐタイではなく、フレーズを示すスラーとして誤って入力されていると、後ろの音ももう一度弾くべき音として扱われてしまいます。タイ、声部、音の長さを確認しましょう。
右手と左手の音が混ざって表示される
ピアノの大譜表の上下2段と各声部が、右手用・左手用として正しく分かれて記譜されているか見直します。
繰り返しの進行順が意図と違う
Virtuは反復記号や1・2番括弧、ダ・カーポやダル・セーニョを楽譜に書かれたとおりに展開して演奏します。ファイル内の反復指定が手元の楽譜と異なる場合は、ファイルを修正するか、練習したい小節区間だけを指定して練習します。
装飾音を弾くと余分な音として判定される
装飾音がトリルやモルデントなどの記号として記譜されているか、細かい実音符に書き下されているかを確認してください。記号として書かれたトリル、モルデント、ターン、アルペッジョ和音は、時代や解釈による代表的な奏法のいずれで弾いてもVirtuが柔軟に正しく判定します。
楽譜認識ソフトで変換したファイルを未修正のまま使う
PDFから自動変換したままのファイルには、臨時記号の抜け、拍数の合わない小節、不要な隠れ声部、小節番号のずれがよく残っています。取り込む前に必ず楽譜作成ソフトで開いて手直ししてください。
Virtuは 取り込んだ 楽譜を 書かれた とおりに 演奏し、 照らし合わせます
「ライブラリ」の「楽譜を取り込む」からMusicXMLファイル(.musicxml、.mxl、.xml)を取り込むと、Virtuはその記譜情報から基準となる演奏を生成します。模範演奏、小節を指定しての試聴、練習時の判定がすべてこの同一の基準から作られるため、耳で聴く模範と判定の物差しが完全に一致します。
- 「デッキを追加」で練習のしかたを選べばすぐに始められ、連弾や室内楽など複数パートのある楽譜では練習するパートを先に選べます。
- 反復記号や括弧を楽譜どおりに展開して再生し、練習中はフェルマータで演奏者が鍵盤を弾くのを待ち、rit.ではテンポが緩む流れに追従します。
- 取り込んだ楽譜の上にペン、消しゴム、定規、テキストで指使いやレッスンのメモを書き込め、楽譜から直接区間を選んで部分練習できます。
よく ある 質問
.mxlと.musicxmlのどちらを使えばよいですか?
どちらでもまったく同じように使えます。.mxlは同じMusicXMLの中身を圧縮して軽量化した標準形式なので扱いやすくおすすめです。スマートフォンのブラウザで.mxlをダウンロードした際に拡張子が.zipに変わってしまっても、Virtuはそのまま取り込めます。
どのような楽譜ファイルを取り込んで使えますか?
ご自身で作成したもの、適法に購入したもの、あるいは著作権が満了した作品やCC0など利用が許諾されている楽譜ファイルをご使用ください。ファイル形式を変換しても、楽曲や版の著作権そのものは変わりません。
手元にPDFの楽譜しかない場合はどうすればよいですか?
無料のMuseScore Studioなどの楽譜作成ソフトで練習したい区間を入力するか、楽譜認識ツールでMusicXMLに変換して誤りを直してから取り込めます。また、Virtuの「カタログ」にすでに収録されている曲であれば、そこからすぐ追加して練習を始められます。