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通し練習・本番

ピアノでミスタッチを減らす方法:正確な打鍵を身につける4つの練習

Virtu Team5分で読めます

ミスタッチは集中力の問題というより、手が次の鍵盤や手の位置を準備するのが遅れたときに起こりがちです。跳躍の前には先に目線を次の鍵盤へ送り、音が鳴った瞬間に余分な力を抜き、もつれる速いパッセージは付点・逆付点リズムで、跳躍は音を出さずに先に鍵盤へ触れる練習を取り入れます。そしてミスの混じったまま速く繰り返さず、確実に弾けるテンポで正しい打鍵を積み重ねることが何より大切です。

ひと目でわかる

  • 跳躍では、手が離れる前に目線が次の着地音の鍵盤に届いているようにします。
  • 打鍵の直後は鍵盤の底を押し続けず、鍵盤が上がらない程度の重みだけを残して力を抜きます。
  • 速いパッセージのもつれは付点・逆付点リズムで、跳躍は音を出さずに鍵盤へ触れてから弾く練習で整えます。
  • ミスを含んだまま速く繰り返さず、間違えないテンポで正しく弾く回数を重ねます。

なぜいつも同じ小節でミスタッチが出るのか

ゆっくりなら滑らかに弾けるパッセージが、元の速さに上げたり最初から最後まで通して弾いたりすると崩れるのは、次の鍵盤や手の形を準備する時間が足りなくなるからです。主な原因は3つあります。

  • 指先の第1関節がつぶれる。爪のすぐ下の関節が折れたり手のひらのアーチが崩れたりすると、鍵盤の真ん中ではなく端を斜めに押す形になり、隣の鍵盤まで一緒に引っかけてしまいます。
  • 音が鳴ったあとも鍵盤の底を押し続けている。ピアノのハンマーは弦を打つ直前に鍵盤の動きから離れて飛んでいきます。音が鳴ったあとに鍵盤の底をいくら強く押し込んでも音色は変わらず、腕や手首が固まって次の音への移動が遅れるだけです。
  • 跳躍で目線が手より遅れる。手を動かしながら同時に目で鍵盤を探すと、一歩遅れます。先に目線が届いていない跳躍は、的を見ずに手を伸ばすのと同じです。

ミスタッチを減らす4つの練習

  1. 目線を先に次の鍵盤へ送るいまの音を弾いているあいだ、手はその場に残したまま目線だけを次の跳躍先の鍵盤へ送ります。和音全体を見ようとせず、親指や小指など基準になる指が触れる鍵盤1つを正確にとらえ、目が届いてから腕を柔らかな弧を描くように運びます。
  2. 音が鳴ったらすぐ力を抜く音が鳴った瞬間に指で押し込む力を抜き、鍵盤が戻らない最小限の腕の重みだけを残します。反対の手で弾いている手首の下をそっと持ち上げたとき、抵抗なくふわっと上がれば力が抜けています。
  3. 付点・逆付点リズムで整える速いパッセージがもつれる箇所は、2音ずつ組にして付点リズムの長–短、逆付点リズムの短–長に変えて弾きます。長い音のあいだに手首の力を抜いて次の指を鍵盤の真上に用意し、両方のパターンを終えたら元のリズムに戻します。
  4. 音を出さずに触れてから弾く跳躍のある小節で、前の音から素早く移動し、音を出さずに目標の鍵盤の表面へ指をそっと置きます。指先が鍵盤の中央に安定した形で乗ったのを確かめてから弾きます。何度か繰り返すと、跳躍の距離感が腕と手に定着します。

速いパッセージがもつれるときに組み合わせたい練習

付点・逆付点リズムへの楽譜の書き換え方と練習手順は、付点リズム練習で楽譜と音源つきで紹介しています。つまずきの原因に合わせて、次の練習も組み合わせられます。

  • 数音ならそろうのに、長いパッセージになるともつれる:区切り練習
  • ゆっくりなら合うのに、元の速さにすると崩れる:テンポ交互練習
  • アルペジオや分散和音で手の形が定まらない:和音にして弾く
  • 片方の手ばかりミスタッチが出る:その手だけを片手練習で整える

ミスタッチを定着させてしまう練習のくせ

ミスが混じったまま速いテンポで繰り返す

ミスタッチを含んだまま10回繰り返すと、手は間違える動きまで一緒に覚えてしまいます。練習の成果は弾いた時間や回数ではなく、正しい動きで正確に弾けた割合で決まります。ミスが出ないテンポまで思い切って落とし、正確な打鍵を連続して成功させてから少しずつテンポを上げます。

間違えた音だけをその場で押し直す

ミスタッチのたびに手を止めてその1音だけを押し直すくせがつくと、通しで弾くときもその場所で音楽の流れが止まり、しかもミスの原因である前の音からの移動が直りません。間違えた箇所の1–2小節手前から、落ち着いたテンポでつなげて弾き直します。

不安な箇所を強い打鍵でごまかす

指がもつれやすい箇所ほど、弱く軽いタッチで練習してみてください。余分な力を抜いて弱く弾くほうが、指先が鍵盤の芯をとらえる感覚を繊細に確かめられます。

Virtuは、どの小節のどの音かを示します

MIDIでつないで弾くと、楽譜の上で音ごとに色がつきます。間違えた鍵盤は実際に押した音の高さに赤で、弾き逃した音はその場所に描かれるので、隣の鍵盤に触れたのか、別の音を押したのかがすぐ分かります。弾いているあいだも、弾き終わったあとも、同じ場所に描きます。

  • 間違えた音が1つの小節に集まると、「2音を違う音で弾きました」のようにその小節を示し、同じ速度でその小節だけをもう一度弾けるようにします。
  • 目標の速度で届かなければ同じ速度で何回か弾いたあと一段ずつゆっくり弾き直し、合格すると目標の速度に戻ります。
  • 小節を選ぶと「楽譜を聴く」「自分の演奏を聴く」「一緒に聴く」でその小節を聴き、どの音が違ったかを耳でも確かめられます。

よくある質問

ゆっくりなら正しく弾けるのに、元の速さにすると間違えます。なぜですか?

テンポが上がると、次の鍵盤へ手を移して指を準備する時間が短くなるためです。ミスが出始める少し手前のテンポで確実に弾く回数を重ね、もつれるパッセージは付点・逆付点リズムや区切り練習で指の素早い準備動作を先に身につけます。

跳躍で鍵盤を見ると、楽譜のどこを弾いているか見失います。

跳躍する小節の和音と着地音だけはあらかじめ暗譜しておき、跳躍の直前の1拍だけ目線を鍵盤へ送ってすぐ楽譜に戻します。音を出さずに触れる練習で距離感を腕に覚えさせると、鍵盤を見る時間も最小限で済みます。

普段の練習では弾けるのに、録音や本番になるとミスタッチが出ます。

普段は間違えたら止まって直せますが、本番や録音では止まれず、緊張で肩や腕も固まりやすくなります。週に数回は、最初から最後まで止まらずに通す練習を別に行い、そこで崩れた小節だけをあとで取り出して部分練習します。

どの小節で間違えるのか、 Virtuが示します

弾くと、間違えた音と弾き逃した音を楽譜の上に描き、その小節を合った速度でもう一度弾かせてくれます。