「和音にして弾く練習」は、分散和音を拍ごとにひとつの和音にまとめて同時に押し、2回弾いてから元の音型に戻る練習法です。手全体が拍ごとの手の形を先に把握できるため、再び分散して弾くときには各指がすでに自分の鍵盤の上に用意されており、音の粒がなめらかにそろいやすくなります。
ひと目で わかる
- アルベルティ・バスや1オクターブ以内のアルペジオなど、1つのポジション内の分散和音がそろわないときに使います。
- 拍ごとの構成音をひとつの和音にまとめて2回弾いてから、元の分散和音の音型に戻ります。
- 和音の構成音が同時に下りて1つの響きになれば十分です。強く叩く必要はありません。
どんな ときに 使うか
分散和音を弾くときに指が次の鍵盤を探して音の間隔が空いたり、1指の親指の音だけが強く飛び出して伴奏がでこぼこに聞こえたりするときに使います。分散和音は、1つのポジションの中で和声の移り変わりに応じて手の形が拍ごとに変化する音型です。1音ずつ追いかける前に、拍ごとの手の形を丸ごとつかんでおくと、各音がぐっと弾きやすくなります。
- アルベルティ・バス、伴奏形のアルペジオ、分散和音のように、1つのポジション内で和音の構成音を順に弾く箇所。
- 音階や同音連打のように、和音を分散した形ではないパッセージには使いません。そうした箇所には付点リズム練習などが向いています。
- 左右どちらかの手の分散和音がとくに乱れるときは、その手だけ取り出して練習します。
楽譜は こう 変わります
分散和音を拍のまとまりごとに束ねます。1拍に音が3つ以上入る場合は1拍ごと、8分音符のアルベルティ・バスのように1拍に2つの場合は2拍ごと、3/4拍子のように1小節の拍数が奇数の場合は1小節ごとにまとめます。まとまりの中の音をそのまとまりの長さの和音ひとつに集約し、重複する同じ鍵盤の音は1つだけ書きます。小節や拍子の枠組みはそのままです。
- 元の楽譜

- 和音にして

練習の 手順
- 元の楽譜で1回どの指が遅れたり、どの音が飛び出して聞こえたりするかを耳で確かめておきます。
- 和音にして1回和音ごとに構成音を同時に押さえます。鍵盤を押す前にすべての指先をそれぞれの鍵盤の上に触れさせておき、音が鳴ったらすぐに手の中の力を抜きます。
- 和音にしてもう1回次の和音へ移るときに、手の形や指の間隔がどう変わるかを意識して感じます。
- 元の音型に戻る和音でつかんだ手の形を保ったまま、もう一度分散して弾き、最初より粒がそろって聞こえるか比べます。
Virtuなら 分散和音が 和音の 楽譜に 変わります
テクニックの段階からは、演奏後にVirtuが片手のパッセージがそろわなかった小節を指摘します。その箇所が分散和音であれば、「和音にして弾く」が練習メニューの一番上に並び、結果画面のボタンも通常この練習から始まります。選ぶと、その小節を拍ごとの和音にまとめた楽譜に書き換えて表示し、まず一度お手本を聴かせます。
- 和音ごとに、すべての鍵盤が同時に押されたかを判定します。大半の和音がそろって鳴ればクリアです。
- 和音が少しばらけたり、アルペジオのように崩れたりした場合は、どの小節かを知らせ、楽譜上の該当する和音を丸で囲んで示します。
- 2回クリアすると元の楽譜に戻り、最初より均一になったかを判定して、ただ反復したときの結果と並べて表示します。
「和音にして弾く」をはじめとする7種類の変奏練習は、Virtu Plusでご利用いただけます。

和音にして弾く 1/2できました次は2/2
よく ある 失敗
上から手を落として和音を叩きつける
同時に鳴らそうとして空中から手を振り下ろすと、音が荒くなるばかりか、かえって指ごとのタイミングがずれやすくなります。先に指先を鍵盤の表面に触れさせてから、腕の重みで同時に下ろしましょう。
鍵盤を押したあと手を握りしめたままにする
和音を押さえたあとも手首や掌に力が入っていると、次の和音の位置へスムーズに移れません。音が鳴った瞬間にふっと力を抜き、次の手の形を準備します。
元の分散和音に戻して弾かない
和音にまとめるのは、あくまで拍ごとの手の形を覚えるための手段です。2回終えたら必ず元の分散和音に戻して弾き、決まったポジションの中で指だけを楽に動かす感覚を確かめましょう。
よく ある 質問
和音の構成音はどのくらい厳密に同時に押さえればいいですか?
耳で聴いて1つのまとまった和音に聞こえれば十分です。Virtuは鍵盤がほぼ同時に下りたかを判定し、わずかにずれた場合とアルペジオのようにばらけた場合を区別して伝えます。
手が小さくて、和音を同時に押さえるのがつらいときはどうすればいいですか?
この練習は1オクターブを超えない範囲の分散和音にのみ適用されますが、それでも指を広げるのに無理がある場合は決して強行せず、付点リズム練習やテンポ交互練習など別のメニューを選んでください。
音階のパッセージにも使えますか?
音階は隣り合う音が順番に並ぶため、まとめても和音にならず、この練習は使えません。音階には付点リズム練習やアクセント移動練習が向いています。