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元の速さへ

ピアノで速い曲を弾く方法:テンポを上げても指がもつれない練習法

Virtu Team6分で読めます

速いパッセージで指がもつれるのは、指そのものが遅いからではなく、1音ずつバラバラに意識して指の力だけで弾いていることが原因である場合がほとんどです。音を拍単位でグループ化してひとつの動きとしてまとめ、手首と前腕が指より先に次のポジションへ移動するようにします。テンポは脱力して正確に弾ける速さから少しずつ上げ、つまずいたらその箇所だけテンポを落として整えてから再び上げていきます。

ひと目でわかる

  • ミスタッチがなく、肩や手首が楽なテンポから出発します。
  • 4音や8音をひとつの動きにまとめ、グループとグループのつなぎ目は取り出して練習します。
  • 親指をくぐらせるときやポジション移動では、手首と前腕が先に道を作ります。
  • 上げたテンポの1回目から綺麗に弾ける幅だけ少しずつ上げ、崩れたら1段階戻します。

テンポを上げると、なぜ指がもつれるのか

ゆっくりのテンポでは滑らかに弾けるパッセージが、本来のテンポに近づくと絡まって音が濁るのには、主に3つの理由があります。

  • 指の力だけで弾いている。速い音型を1本ずつの指を動かす筋肉だけで弾こうとすると、使った筋肉が緩む前に次の音が来て手と前腕が同時に固まり、鍵盤が浅くしか下りなくなります。速いパッセージを軽やかに弾くには、指の上下運動だけでなく手首と前腕の柔らかな回転と腕の自然な重みを使う必要があります。
  • 手首と前腕の移動が遅れている。指が鍵盤を下ろす前に、手首と前腕がすでにその鍵盤の上へ移動してポジションを作っていなければなりません。スケールやアルペジオで親指をくぐらせるときに手首が固まっていると、指先だけを無理に横へ伸ばすことになり、音が飛び出して関節にも負担がかかります。
  • 1音ずつバラバラに考えている。速いテンポで音符を1つずつ追いかけると、脳からの指令に手が追いつかず止まってしまいます。オクターブの切り替わりや拍の境目で特にリズムが揺れやすいのも、音を拍単位のまとまりとして捉えられていないためです。

テンポを段階的に上げる手順

  1. 崩れずに弾ける基準テンポを見つけるミスタッチがなく、肩や手首に余計な力が入らないテンポをメトロノームで見つけて記録します。そこが今日の練習の出発点になります。
  2. 拍単位でグループ化して弾く16分音符4つや8つをひとまとまりとして捉えます。まずグループ内の音を和音のように同時に押さえて手の形と鍵盤の間隔を指先に覚えさせ、次にグループの最初の音にだけ腕の重みを乗せ、残りの音はその流れに乗せて軽く弾きます。
  3. グループとグループのつなぎ目を結ぶ前のグループの最後の音から次のグループの最初の音へ移る2音だけを取り出して何度か練習します。速いパッセージの乱れは、ポジションが切り替わるつなぎ目に集中しやすいからです。
  4. 手首と前腕に先導させる親指をくぐらせるときや手のポジションが変わるときは、手首が進行方向へ緩やかな弧を描き、指を次の鍵盤の上へあらかじめ運ぶようにします。グループの最初の音で重みを預け、最後の音で手首をわずかに浮かせて残った緊張を逃がします。
  5. 少しずつ上げ、崩れたらすぐ戻す3回続けて揺れずに楽に弾けたらメトロノームを4 BPMほど上げ、一度でもつまずいたり腕が固まったりしたら2 BPMほど下げます。上げたテンポの1回目から崩れるなら、一度に上げすぎです。

つまずく原因に合わせた練習法

テンポを上げていく途中で同じ箇所ばかりつまずくなら、その原因に合う変奏練習を短く取り入れます。最後は必ず元の楽譜どおりに弾いて仕上げます。

よくある失敗

指がもつれたまま元のテンポで何度も繰り返す

指が絡まり腕が固まった状態で10回繰り返せば、手は音符と一緒にその力んだ動きのくせまで記憶してしまいます。翌日の演奏に直結するのは、練習時間の長さや単純な反復回数ではなく、どれだけ高い割合でミスなく楽に弾けたかです。

一度に大きくテンポを上げる

遅いテンポからいきなり仕上げのテンポへ飛ばすと、ゆっくり練習で作った安定したフォームが崩れ、焦って鍵盤を叩く動きに戻ってしまいます。テンポを1段階上げたとき、その1回目から正しく弾ける幅だけで着実に上げていきましょう。

ゆっくり練習ばかり続け、速い動きを確かめない

ゆっくり練習は不可欠ですが、1音ずつ間をあけて確認する動きと、速いテンポで複数の音をひとつの動きにまとめる身体の使い方は別物です。ゆっくり直したあとは、短い単位でも目標テンポのスピード感で弾いてみて、速い動きのフォームを確かめます。

痛みを感じたらすぐに中断してください。 テンポを上げる途中で手首や前腕に痛みや違和感を覚えたら、その日の練習はすぐにやめて休んでください。数日休んでも痛みが引かない場合は、専門医に相談してください。

Virtuは合格したテンポから一歩ずつ引き上げます

初期設定でオンになっているアダプティブ練習では、Virtuが区間ごとに今日の練習テンポを決めます。通常は前回安定して合格したテンポの1段階上から始まります。目標の速度でミスが出たときは同じ速度で数回試したあと1段階ずつ速度を落として整え、ゆっくりの速度で合格すればすぐ目標の速度に戻ります。

  • 同じ小節で2回続けて外すと、全体の速度を落とす代わりに「第6–8小節だけ」のように、つまずいた小節だけを同じ速度で集中的に練習させます。
  • パッセージの粒がそろわない箇所は「第11小節を仕上げる」でその部分だけを取り出します。先に2回聴いたあと、2回続けて均等に弾ければ速くなり、乱れれば遅くなり、元の速さで3回続けてそろえば完了です。
  • 「段階的テンポ調整」で「合格したらテンポを上げる」をオンにすると、合格するたびに次の演奏が初期設定の5%ずつ1段階速くなり、目標より速いテンポで外すと1段階戻ります。

「合格したらテンポを上げる」と下の7つの練習は、Virtu Plusに含まれています。

よくある質問

最初はどのくらいゆっくり始めればいいですか?

ミスタッチがなく、肩や手首に力が入らず、次のグループの音を余裕をもって先読みできるテンポです。思ったよりずっと遅く感じても心配いりません。そのテンポは遠回りではなく、最短で仕上げるための今日の出発点です。

昨日弾けたテンポが、今日は弾けません。

とても自然なことです。昨日の最高テンポより1〜2段階下から始めて手の感覚と脱力を呼び戻してから、もう一度上げていきましょう。Virtuのアダプティブ練習でも、1週間以上間隔が空いた日は習得途中の区間を1段階下のテンポから無理なく再開します。

速く弾くには指の筋力を鍛えるべきですか?

いいえ。速いパッセージを支えるのは指の筋力ではなく、手首と前腕の柔らかな回転、手首のスムーズな水平移動、そして音が出た瞬間に力を抜く脱力の速さです。

テンポを上げる歩幅を、 Virtuが最適に整えます

演奏すると今日のテンポを決め、つまずいた箇所はゆっくり整えてから再び目標テンポへと導きます。