スタッカート練習は、パッセージのすべての音を短く切って2回弾いたあと、元の楽譜の弾き方に戻る練習法です。鍵盤を押した直後に素早く指を離すことで手の中の余分な力が抜け、1音ずつの立ち上がりがはっきりします。そのあと再びレガートでつなげて弾くと、音の粒が軽やかにそろいやすくなります。
ひと目で わかる
- 速いパッセージが重くつぶれて聞こえるときや、楽譜のスタッカートが長めにつながってしまうときに使います。
- すべての音にスタッカートを付けて2回弾いてから、元の楽譜どおりの弾き方に戻ります。
- 次の音を弾く前に鍵盤からしっかり指を離せば十分です。極端に短くはじいたり、強く叩いたりする必要はありません。
どんな ときに 使うか
速いパッセージが重たく沈んだり、前後の音が重なってにごって聞こえたりするときに使います。鍵盤を必要以上に長く押さえ続けていると掌や手首に力が残り、次の指が下りるのが遅れがちになります。スタッカートで練習すると1音ごとに鍵盤から指を離す動きまで意識が向くため、手の力が抜けやすくなります。
- 同じ長さの音が4つ以上続くパッセージや、和音の伴奏形。
- 楽譜にスタッカートが書かれているのに、音がつながって聞こえる箇所。
- 左右どちらかの手がとくに重く感じられるときは、その手だけ取り出して練習します。
楽譜は こう 変わります
練習する手のパッセージのすべての音にスタッカートを付けます。音高やリズム、指使いはそのままで、1音ずつの長さを短く切ることだけが変わります。音を切ったあとに生まれるわずかな隙間は、ただ休むのではなく、次の指を次の鍵盤の真上に準備する時間として使います。
- 元の楽譜

- スタッカートで

練習の 手順
- 元の楽譜で1回どの指の音が重く響いたり、前後の音と重なって聞こえたりするかを耳で確かめておきます。
- スタッカートで1回鍵盤を押したらすぐに指を離します。次の音が鳴る前に前の音がすっきり切れているか聴き取ります。
- スタッカートでもう1回同じテンポでもう一度弾きます。音を切った隙間に、次の指がすでに次の鍵盤の上に準備できているかを感じてみます。
- 元の楽譜に戻る指定どおりにつなげて弾き直し、最初よりタッチが軽く、粒がそろって聞こえるか聴き比べます。
Virtuなら スタッカートが 楽譜に 付きます
テクニックの段階からは、演奏後にVirtuが片手のパッセージがそろわなかった小節や、スタッカートがつながって聞こえた小節を指摘します。結果画面で「スタッカート練習で弾く」を選ぶと、その小節のすべての音にスタッカートを付けた楽譜に書き換えて表示し、短く切ったお手本を一度聴かせます。スタッカートが十分に切れていなかった箇所では、通常この練習が最初に提案されます。
- 1音ごとに、次の音を弾くより十分前に鍵盤を離せたかを判定します。大半の音でできていればクリアです。
- 音がつながってしまった場合は画面で知らせ、スタッカートでもう一度弾きます。
- 2回クリアすると元の楽譜に戻り、最初より粒立ちがよくなったかを判定して、ただ反復したときの結果と並べて表示します。
スタッカート練習をはじめとする7種類の変奏練習は、Virtu Plusでご利用いただけます。

スタッカート練習 1/2できました次は2/2
よく ある 失敗
鍵盤を上から強く叩いてしまう
音を短く切ろうとして上から鍵盤を叩くと、音色が荒くなるうえ手首まで固まってしまいます。スタッカートの要点は強く叩くことではなく、素早く指を離すことです。押す重さは変えずに、指先を早く離すことだけを意識しましょう。
音を切ることでリズムが揺れる
音を切ったあとの空白に気を取られると、拍が詰まって走ったり逆にもたったりしがちです。各音の弾き始めのタイミングは、元のリズムどおり正確に保ちます。
元の弾き方に戻らない
レガートのパッセージをスタッカートで弾くのは、手の余分な力を抜き、指が軽やかに離れるようにするためです。セットを終えたら必ず元の楽譜どおりにつなげて弾き、軽くなった手の感覚をレガートに活かしましょう。
よく ある 質問
どのくらい短く切ればいいですか?
次の音を弾く前に音がはっきり切れれば十分です。Virtuでは、次の音までの時間の5分の3が経過する前に鍵盤から指を離したかどうかを基準にしています。
ダンパーペダルを踏んだまま練習してもいいですか?
この練習ではペダルを外すのがおすすめです。ペダルを踏むと指を離しても響きが残るため、指が鍵盤からすっきり離れているかを耳で確かめられなくなります。
レガートと指定されている箇所でスタッカート練習をしても大丈夫ですか?
はい、とても有効な練習法です。一度短く切って指の離れを良くしてから再びレガートで弾くと、前の音が濁らずに粒のそろった美しいレガートになります。